身体のメカニズムと意識状態

武術は様々な状況下で、自らの生命を護るためのもの。
そのためには、小手先のスキルのみでは、全くの事足らず。
例えば、相手の心のなかを察知することとか、その場の事態の先読みとか、当たり前にする事が必要。
しかも、瞬時に、自動的に、無意識にできなくては要をなさない。
武術の鍛練は、こうした能力も養い、高めるもののはず。
加えて、最高度の身体の動きによって、その局面を打開する。そのためには、人体の精緻なメカニズムに則った、合理的な動きをする能力が、併せて備わらなくてはならない。
こうした能力を開発していくメソッドが、武術の鍛練方法の筈。
果たして、どれ程の武術と称するものが、これらの条件を備えて、今日行われているでしょうか?
そして、当然ながら、そのメソッドの本質をはっきりと表すのが、基礎の鍛練法。
中国武術でいうと、基本功。
基本功で、身体の合理性に則した動きと、最適な意識状態を、直接に開発するものでしょう。
例えば瞑想は、最適な意識状態を目指す。しかし、身体合理性の動きは、そこには無い。
馬貴の伝えた八卦掌の走圏は、正しくそこに足るものでしょう。